(二)この世界ごと愛したい
カイが分からないのも無理はない。
私でさえ、読み切ることが出来ていない道。険しいことだけが確定している、そんな道。
「明日は軍師兄弟が来るんやったっけ。兄貴の方なら、お嬢の考えも読めるんやろか。」
「どうやろ。俺は明日お嬢と白狼がラブラブすんのが楽しみや。」
「ら、ラブラブ!?」
「相手はこのお嬢やで。白狼もゾッコン間違いなしやん。」
果たして、カイの想像通りになるのか。
私はやはりシオンよりも、迫り来るトキのお説教に怯える他ない。
「…カイ、お嬢貸して。」
「…お前、明日白狼に斬りかかったりすなよ?」
カイは不安の色を浮かべながらも、楽しそうに私をおーちゃんへ受け渡す。
「せーへんわ。あんなん相手にしたら店跡形もなくなるやん。」
「分かっとるならええ。太客やねんから、粗相すなよ。」
そんな口約束を交わした二人。
私と言えば、神様との対話で慣れない巫女の力を強引に引き出されたことによって、このまま朝まで眠り続けることになった。
今日の出来事は、後に。
辛く悲しい痛みとなって、私の心を引き裂くことになることに。
…まだ、気付くことが出来なかった。
“ いずれ必要となる力。またここで待っている。”
神様は、腐っても神。
未来を見通すその目に、狂いはなかった。