(二)この世界ごと愛したい
そして。
お店のドアが開き、私が目覚める前にいよいよ兄弟が到着。
「…いらっしゃーい。」
「彼女どこ。」
「「「……。」」」
いらっしゃいと声を掛けたのは勿論カイ。
そして、店内に姿のない私を入店早々どこだと聞くシオンに驚くカイとおーちゃん。呆れるトキ。最早無言になるしかない。
「…こら重症やな。」
「出せ。」
「…あー、堪忍な。あの子は今…ちょい野暮用で。時期来ると思うで。」
「早く出せ。」
「…え、これどちらさん!?」
普段ここに来るシオンの様子は知らないが、カイにとってはあまりの違いに驚く他ない。
「シオンちょっと落ち着きなって。リンがここにいること俺まだ半信半疑だし。」
「落ち着いてる。」
「無理があるって。とにかく先に情報貰おうよ。リンのことは後で思う存分根掘り葉掘り聞けばいいじゃん。」
「…じゃあ早くしろ。」
シオンは納得がいかないまま一先ず座り。
トキも同じく座って、まず依頼していた情報を受け取ることした。
「…ほんで、ヤハネに動きはない。アレンデールも不動。今活気あるんはやっぱ天帝がおるセザールと、この国やな。」
「こっちからの依頼はそれくらいだったかな。あ、アレンデールとソル戦って今どんな感じ?」
「鬼人が敵の罠に嵌った可能性があるらしいけど、ソルの城は落としたらしいで。」
「それリン知ってるの?」
「報告はしたけど、鬼人は大丈夫やって言うてたで。」
ここでトキが反応を示す。
「へえ、本当にリンいるんだ。」
「…言っただろ。」
「最近のシオンはリンしか眼中にないから。てっきり都合の良い夢でも見たんじゃないかって思ってた。」
「……。」
思わずトキを睨むシオンだが。
ここに来てシオンの我慢が限界を迎える。