(二)この世界ごと愛したい
そしてシオンの意味不明な泊まる発言を聞いて、大興奮のカイと嫌そうなおーちゃん。
「聞いたかオウスケ!?あの白狼がここに泊まるって言うたで!?」
「カイ家主やろ、まず断らんかい。」
「お嬢と一夜過ごして熱い夜になるんやろか!?」
「カイ、お嬢が怒ってんで。」
この変態思考がなければ、カイは本当に良い人なのに。
「お嬢、ここは白狼と寝て感想聞かして。」
「…私家出する。」
「案外イイ気分なるかもしれへんで。」
「…二度とここには帰って来ない。」
邪な発言ばかりするカイを睨み、家出する宣言をするがまた戯言を続ける。
もう良い加減にしてくれ。
「シオンもトキも、次は定例通り三ヶ月後ね。またね。」
まずは客人を帰してから、カイに続きのお説教をしたい私は足早に二人を帰そうと試みる。
「リン。」
そう言って、両手を広げたトキ。
さっきは態度を改めると、そんなことを言われたけど。それに対して寂しいと言った私を思い遣ってくれている。
「トキ大好きっ!」
なので反射的にその胸に飛び込む。
「はー。やっぱ癒される。」
「私の台詞だよー。」
「リンには敵わないね。結局許せちゃうよ。」
「トキに会いたくなったらすぐお城行くねー。」
「俺ばっかじゃなくてアキトもよろしくね。そう言えばリンの鷹、全然来てくれないけど。俺と文通したいって嘘だったの?」
「あ…。う、嘘じゃないよっ!」
完全に失念しておりました。すみません。
明日すぐにお手紙書こう。
「待ってるから、リンも元気出して?」
「…あー情けないー。私そんなに元気ない?」
「口では色々言ってても鬼人のことしか頭にないのバレバレだよ。」
「うー…。」