(二)この世界ごと愛したい
恥ずかし過ぎる。
兄離れ出来てないと触れ回ってるのも同じことだ。気を付けねば。
…いや手遅れか。
「リンが元気ないと、ほら見てよ。シオンもこの通りご機嫌斜めだし。」
「シオンはいつでもこうじゃんー。」
「いつもより機嫌悪いって。」
ぎゅーっとトキを抱きしめて。抱きしめられて。
あまりに可愛くて離れ難い私を、そっとトキが離してにっこり笑ってくれる。
「また来るね。」
「仲直りの賄賂たくさん買ったから。今回の分はお土産にあげるけど、次は一緒に食べてくれる…?」
「うん、楽しみにしてる。」
ぽんぽんと頭を撫でてくれるトキと、こんなに離れたくないと思うのは。
きっと私が不安を抱えているせいだ。
「リン悪いけど、シオン帰るように説得してくれる?」
「何で私なの!?」
「こうなったらリンの言うことしか聞かないから。」
私、猛獣使いじゃないんですけど。
「…シオンまたね。」
「お断りします。」
「もう用事ないでしょ。トキ待たせちゃ悪いし早くエゼルタに戻った方が良いと思う。」
「泊まります。」
これをどうしろって言うんだ。