(二)この世界ごと愛したい



「お兄ちゃんなんだからちゃんと聞き分けてよ。」


「知りません。」


「周りが困ってるから。」


「…貴女も?」



そう言われると。


そうなんだけど、そうだと言うのは酷なのか?




「シオンにもお手紙書いてあげるから、ね?今日はお家に帰ろ?」


「いりません。」


「トキ無理だよー。私の言うことも聞いてくれないよー。」



面倒でトキに丸投げ。



丸投げしようと…思ったのに。





「な…、んっ…!?」



トキに向いた私の頭を、非常に強引に。


グイッと自分の方へ向け、何をとち狂ったのか唇を奪われる緊急事態。




どいつもこいつも!!!


羞恥心の持ち合わせないんですか!!!





「…その顔ムカつく。」


「は…?」



キスまでしといて、今度は顔がムカつくと言われる。




…もう流石にブチギレ案件ですよね。





「焚き付けた責任は取ります。」


「……。」


「元々この戦勧めたの俺なんで。」


「……。」


「瀕死で良ければ貴女の元にちゃんと帰しますよ。」



ハルの話なんだろう。


別にシオンに責任ないし、何故瀕死なのかは知らないけど。





「今の論点そこじゃないからっ!!!」


「じゃあどこ。」


「きっ…〜っ!!!」



どう考えてもこんな人前で、弟であるトキの前で、恥も知らずにキスしたことを怒りたいのに。


私だけが恥ずかしくて顔も上げられなくなる。




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