(二)この世界ごと愛したい
「自ら進んで危ない場所に行くって、ほんま意味分からん。変態やん。」
「へ、変態!?」
「今の荒削りな腕で行くん先生は許さへんけどな。」
私の未熟さを指摘してくれる師匠がいるので、私もこの遠征で何かを得たいと思います。
師匠をガッカリさせないように頑張ります。
そう意気込み。
新たな力を求めて、アレンデールへと歩みを進める。
移動は馬車の中だったのでちゃんと分かっていなかったが、目的地に到着して。その街を見て私は驚く。
「…ここだったか。」
「知っとる街やったん?」
目に留まった時計台。
独特な工場の匂い。もくもくと煙が立ち昇る風景。
ここは、るうと旅行に来た時に立ち寄った街だ。
「出国する前に、一度だけ来たことあるんだけど。楽しい街だったなー。」
「腕の良い職人が多いから、他国の人間も割とおるし気を付けや。」
「うんっ!」
今日はカイの最近のお気に入りであるポニーテール。
その尻尾がるんるんと跳ねるのは、私がまたお出掛けが楽しいと思っている証明で。
おーちゃんはそれを見て、また可愛い笑顔を人知れず浮かべる。
「…デートみたいやな。」
「はい?」
「…あ。い、いや!ちゃう!別に他意はない!雰囲気や!雰囲気だけの話やっ!」
声に出すつもりはなかったんだろうが、デートみたいだと思ったらしいおーちゃん。
急に狼狽出すので、私は逆に冷静になる。
「デート?おーちゃんと私が?」
「あーもう!言葉の綾やろ!粒立てんな!」
「そんな烏滸がましいこと出来ないよ、先生。」
「烏滸がましいて…。」