(二)この世界ごと愛したい
…嫌だ。
すっごく嫌だ。
ご飯なんて食べなくていいからここにいたい。寝る時間さえも惜しい。
「…あー…うん。」
しかし仮暮らし、居候の分際で。
我が儘を言えない私は渋々頷いて、少しだけ目を伏せる。
インプットした情報を手放したくない。
この集中はもう少し続けておきたい。
「……。」
「行くぞ。」
「…うん。」
私はアキトとトキに今朝の広間に連れて行ってもらい、少し遅めの夜ご飯。
どうやらアキトも食べずに待っていてくれたようで、三人分の食事が既に準備されていた。隊士達は先に済ませてもう休んでいるんだろう。
広い広間に三人でぽつんと座っている。
「……。」
「…すごい集中力だね。」
「俺はこれをどうすりゃいいんだ。」
二人の会話も今は僅かに聞こえている。
「食べてていいよ。あと三分ほしい。」
私は変わらず目を伏せたまま。
膨大な情報をこの頭に落とし込んでいる。
「…今晩リン俺が預かってもいい?」
「はあ?」
「だって、取り上げるの可哀想じゃん。」
「お前は大丈夫かよ。明日から王宮行くんだろうが。」
トキはもう諦めたようで。
ただ楽しそうに笑う。
「何とかするよ。」
「…稽古に備えて出来るだけ早く寝かせろよ。」
「え、そんなのどうやるの?」
「俺が知るか。ルイがいりゃあ対策聞けるんだがなあ。」
残念ながら、るうはこういう時は黙って私の好きにさせる人です。
私が止まらないことをもう経験し尽くしてる人です。