(二)この世界ごと愛したい



…嫌だ。


すっごく嫌だ。



ご飯なんて食べなくていいからここにいたい。寝る時間さえも惜しい。





「…あー…うん。」



しかし仮暮らし、居候の分際で。


我が儘を言えない私は渋々頷いて、少しだけ目を伏せる。




インプットした情報を手放したくない。


この集中はもう少し続けておきたい。





「……。」


「行くぞ。」


「…うん。」




私はアキトとトキに今朝の広間に連れて行ってもらい、少し遅めの夜ご飯。


どうやらアキトも食べずに待っていてくれたようで、三人分の食事が既に準備されていた。隊士達は先に済ませてもう休んでいるんだろう。



広い広間に三人でぽつんと座っている。





「……。」


「…すごい集中力だね。」


「俺はこれをどうすりゃいいんだ。」




二人の会話も今は僅かに聞こえている。





「食べてていいよ。あと三分ほしい。」



私は変わらず目を伏せたまま。


膨大な情報をこの頭に落とし込んでいる。





「…今晩リン俺が預かってもいい?」


「はあ?」


「だって、取り上げるの可哀想じゃん。」


「お前は大丈夫かよ。明日から王宮行くんだろうが。」




トキはもう諦めたようで。


ただ楽しそうに笑う。




「何とかするよ。」


「…稽古に備えて出来るだけ早く寝かせろよ。」


「え、そんなのどうやるの?」


「俺が知るか。ルイがいりゃあ対策聞けるんだがなあ。」





残念ながら、るうはこういう時は黙って私の好きにさせる人です。


私が止まらないことをもう経験し尽くしてる人です。





< 77 / 1,120 >

この作品をシェア

pagetop