(二)この世界ごと愛したい
話が寧ろ滞り、苛立つ私の頭をゴツンと殴ったのはおーちゃん。
「このアホ!何してんねん!」
「大丈夫、ハルお金持ってるよ。」
「そんな心配してへんわ!将印こんなとこで使うなや!騒ぎになるやろ!」
「それよりおーちゃんさっきの教えてっ!」
気になって気になって仕方ない!!!
「…兄貴、とりあえず金は近々持って来るわ。とりあえず装具先にもらわれへん?」
「ちょ、ちょい待て!お前!鬼人の女に手出すんはマズいて!!!」
「出してへんわ。」
「てか、あ!すんません!お嬢さん!諸々すぐ準備するんで!!!」
お店の奥に行ってしまったお兄様。
それを見ると、将印の恐ろしさが良く分かった。これを持つ人に逆らうのは、その将軍に逆らうも同じこと。
…確かに好んでハルを敵に回したくないよね。
「将印で強行突破とはな。」
「ここはアレンデールだし、もう早く教えてほしかったし。ハルの分だけならいいかなって。」
「確かにもう一個も見せてたらまたややこい話やったけど。それでもあかんて。兄貴金に困ってるんやから。」
「…ごめんなさい。」
自分勝手だったか。
お金に困ってる人を将印で脅して、無銭で取引してしまったことになるのか。
「遅くないなら城に頼もうか?」
「いや、カイに早馬で届けてもらうわ。」
「じゃあハルに頼まなくていいの?」
「ここに鬼人来たら兄貴ビビるやろ。」
「…あー…それもそう、かも。」