(二)この世界ごと愛したい
私としたことが、浅はかでした。
反省してます。
自国の守るべき民に恐怖を与えてどうするんだ。私の馬鹿。
「お嬢さん!これどうぞっ!」
「…お兄様ごめんなさい。ハルには何も言わないので。ただ、お金は…また追々お支払いします。」
「あ、おおきに!」
情けないー。
姫じゃないとは言え、自分のやったことに多大に落ち込む。
「…鬼人の選んだお人は、優しい人やねんな。」
「いや、優しくはないです。今も不安な思いをさせてしまってすみません。」
「鬼人はずっと妹さんを守って生きてた人やから、ようやく自分の幸せも考え出したんやって。街のみんなも喜んどったから。」
ハルの幸せ、か。
それを考えて喜んでくださった街の方々には頭が上がらないな。
「ありがとうございます。これからもどうか、健やかでいてください。国の安寧はハルと共に守ります。」
「戦が終われば祝言やろか。盛大にお祝いしますわ。」
「あ、祝言はあり得ません。」
「は?」
私、妹なので…とは言えないが。
「今は、ハルにはハルの。私には私のやるべきことがありますので。」
「え…は?ご結婚…しない?」
「ご心配には及びません。来世では、世界一ハルを幸せにしますね。」
「ら、来世…。そんなに先を見通すほどの愛やなんて。」