(二)この世界ごと愛したい



案の定、私を見て目を丸くする宿主さん。




「あ、ご無沙汰です。」


「ひ、姫…様…?」


「食事ありがとう。適当に置いてくれればいいから。」



震えそうな手で配膳してくれたこの人は、以前ママと手紙のやり取りをしていたそうだから。


少なからず城と繋がりがあるだろうと思った。




「怖がらせてごめんね。お願いがあるの。」


「こ、怖いなど…滅相もございません。ただ、あなた様がご無事で何よりでございます…っ。」


「うん。」


「国を追放されると聞いた時は…初めて王城へ再考を願い出ましたが。お役に立てず申し訳ございません。」



身体を丸めて頭を下げるこの人は、本当に良い人だなと思う。




「それはいいの。あのね、私ってどんなかなって聞かれたんだけど自分じゃ良く分からなくて。この人に説明してくれない?」


「は、はい?」


「ざっくりでいいよ。忖度もいらない。」



困らせるんだろうが、これ以上手っ取り早い方法が浮かばなかった。




「そうですね…。姫様を一言で申し上げるなら…破天荒?いや、お転婆?…あ、無鉄砲?」


「…耳が痛い。」


「その美しさはそれはもう国一。いや世界一ですが、性格が…はい。」


「性格に難ありってこと!?」



知らなかった…!!!


私国民の皆様に厄介者だと思われてたの!?




「難…と言いますか。産まれたその日から前陛下とハル様のご寵愛を受け、我々も嬉しくその成長を見守っておりました。」


「パパとハルは過保護なだけだよー。」


「にも関わらず、戦場に行かれると聞いた日は食事も喉を通らず。おまけに眠ることも出来ませんでした。」


「ごめんなさい!?」




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