(二)この世界ごと愛したい
相手を見つけてって、簡単に言ってくれる。
そもそもハルがそんなこと許すわけないと思う。それに、守ってもらうような事態には今後ならないと思いたい。
「ま、考えとくねー。」
「これです!お客様、これが姫様の性格です。自分のことになると急に興味がなくなるんです。ご自身を顧みてくださらないんです!」
「そんなことない…。」
「あります!ハル様が側にいない今、誰かが姫様を守らねば!なのでどうかよろしくお願いします!」
突然話を振られたおーちゃん。
傍迷惑な頼み事をよく初対面で出来るなと、私はおーちゃんに同情してしまう。
「おーちゃん気にしないでねー。本気にしないでねー。」
「姫様っ…!」
止める私にぷんぷんと腹を立てる宿主さん。
「…分かったから、安心してええよ。」
「ありがとうございます!お客様…えっと。話し方からして鍛冶屋のヨウスケさんのお知り合いでしょうか。」
「そんなとこや。」
勝手に、そして簡単に引き受けられてしまった。
おーちゃん巻き込まれ事故じゃん。
お仕事中あまり引き止めても申し訳ないので、宿主さんには私がここに来たことの口止めはして退室いただいた。
「まともなことは聞けなかったけど、どう?足りた?」
「…足りひん。」
「えー。これ以上私を知ってる人ってなると城まで行かなきゃいないよー。」