(二)この世界ごと愛したい



相手を見つけてって、簡単に言ってくれる。


そもそもハルがそんなこと許すわけないと思う。それに、守ってもらうような事態には今後ならないと思いたい。




「ま、考えとくねー。」


「これです!お客様、これが姫様の性格です。自分のことになると急に興味がなくなるんです。ご自身を顧みてくださらないんです!」


「そんなことない…。」


「あります!ハル様が側にいない今、誰かが姫様を守らねば!なのでどうかよろしくお願いします!」



突然話を振られたおーちゃん。


傍迷惑な頼み事をよく初対面で出来るなと、私はおーちゃんに同情してしまう。




「おーちゃん気にしないでねー。本気にしないでねー。」


「姫様っ…!」



止める私にぷんぷんと腹を立てる宿主さん。





「…分かったから、安心してええよ。」


「ありがとうございます!お客様…えっと。話し方からして鍛冶屋のヨウスケさんのお知り合いでしょうか。」


「そんなとこや。」



勝手に、そして簡単に引き受けられてしまった。


おーちゃん巻き込まれ事故じゃん。



お仕事中あまり引き止めても申し訳ないので、宿主さんには私がここに来たことの口止めはして退室いただいた。





「まともなことは聞けなかったけど、どう?足りた?」


「…足りひん。」


「えー。これ以上私を知ってる人ってなると城まで行かなきゃいないよー。」




< 780 / 1,120 >

この作品をシェア

pagetop