(二)この世界ごと愛したい
天才は天才に違いない。
けど。
確かに…あれ?私そこまで分かったっけ?
「…優秀な弟子で良かったね、先生。」
とりあえず今はいいか。
それよりもまずは自分の稽古だ。力を付けなくてはいけない時だ。
「ほな支度して行くで。」
「はいー。」
そして早急に身支度を済ませ、今日の稽古へ繰り出すことになった。
「何するのー?」
「散歩。」
「さ…散歩…。その後は?」
「お嬢が元気ならかけっ子。」
私は幼児か!?
お散歩の後にかけっ子!?
「剣の練習は?」
「今日の様子見て明日以降やな。」
「むー。」
「膨れても今日はやらん。」
厳しい先生がそう言うので、大人しくおーちゃんとお散歩。
街を散策すると、昨日よりもやっぱり動ける。全然マシだ。震えたりもしない。
「疲れた。おーちゃん抱っこ。」
「幼児返りすな。可愛すぎるわアホ。」
「…可愛さで勝負しておーちゃんには勝てる気がしません。」
マシはマシでも、疲れるものは疲れる。重いし動きにくく感じる。
そして自分が可愛いことを知っているおーちゃんは、動じることなくただ歩くだけ。
「私は何もしないからさ、おーちゃんの剣見たい。昨日のやつ。」
「お嬢にはまだ早い。それにこんなとこで剣抜けるか。」
「けち。」
「その内嫌って程見れるやろうし、今は我慢や。」