(二)この世界ごと愛したい
我慢にはあまり耐性ないんですよね、私。
箱入りなんで。
「…ん?あ?金持ちの嬢ちゃん!!!」
そう。元は金持ちの嬢ちゃんなので。
王族なもので。
…ん?
「…あ、装飾屋さん。」
火龍の輝石を加工してくださった装飾職人さんだ。
るうのネックレスお願いした人だ。
「久しぶりだなあ!そして相変わらず別嬪だなあ!」
「あーお久しぶりです。」
「こないだの彼氏は一緒じゃねえのか…って、新しい彼氏か!?すまねえ!?」
「だから彼氏じゃないって。どっちも。」
てか良く覚えてるな、この人。
「今の彼氏にも何か贈り物する時はまた言ってくれよ!贔屓に頼むな!」
「…覚えとくねー。」
違うと言っても聞いてくれそうにないので。
もういいです。めんどくさいです。
街でたまたま出会ったので、軽くお話しただけで職人さんは去っていく。
「彼氏って?」
「あーるうのこと。前にるうとここ来たの。その時も違うって言ったのになー。」
「最近その名前よう聞くわ。」
「…その内会えるんじゃないかな。るうもたぶん、来たくて仕方ないだろうから。」
そんな気がするだけだが。
違ったらめちゃくちゃ恥ずかしいが。
「鬼人とルイって奴どっちが好きなん?」
「ハル。」
「即答かい。誰か知らんけど不憫やな。」
「でもハルの次はるうだよ。この軸だけは変わらない。私は二人に支えてもらって、今ここにいるから。」