(二)この世界ごと愛したい
コンコンと。
お店のドアを叩く音が聞こえ、カイがドアを開ける。
「まいど、おおき…に。」
「これはこれはご丁寧に。お出迎えありがとうございます。」
「い、イヴ将軍…でおうてます?」
「左様、ヤハネ国第一将イヴと言います。この度は依頼を聞いていただけるとのことで。お忙しいのにすみません。」
カイが意表を突かれたのは、私から聞いていた話と実際に現れたイヴのイメージがあまりに乖離していたから。
まるで仏様。体格も含めると大仏様のような優し気な雰囲気。しかし身体は巨躯。この酒場のドアさえ壊れないか心配になる程。
「せ、狭くてすんません。」
「いやいや。儂が単に成長し過ぎただけなのでお気になさらず。」
「何か飲まれます?」
「いえ結構。」
椅子にドシンと腰掛けて。
カイをマジマジと見て、その場にいるおーちゃんにもチラッと目を向けて。警戒心は怠らないイヴ。
「店主のカイ言います。今回の依頼、先に聞きましょか。」
「おお、ありがとうございますカイさん。突然不躾なんですけど、三つお願いがしたいんです。」
イヴの三つの願い。
一つ目は、現在行われているアレンデールとソル戦。つまりハルの戦の状況が知りたいと言うこと。
二つ目は、私の予想通りアレンデールへの私に関する情報を規制したいこと。
「三つ目は何です?」
一つ目は問題なく、二つ目は私に事前に言われていたので許容範囲。そして三つ目は何かと訊ねる。
「三つ目は、そのアレンデールの姫を見つけ次第殺して欲しいんです。」