(二)この世界ごと愛したい
仏の顔も一変。
途端に般若の如き鬼の顔を見せるイヴに、思わずおーちゃんが反応する。
「難しければ捕えるだけでも構いません。留めは儂が刺しますので。」
「…うちは殺しはやってませんねや。けど捕獲は出来るだけやってみますわ。」
「何と有り難い。代金はこれで賄えますかな。」
懐からまた大きな袋を取り出して、中の莫大なお金ごと机に置いたイヴ。
引き篭もりだから金はあるんだよな、この人。
「ところで、そこまであの姫さん目の敵にするんは理由があるんです?」
「…そんな大層な理由はありません。」
その理由は、イヴと私の秘密。
秘密と言うには荒々しくて、荒々しいくせに純粋で優しい。そんな秘密。
「ただ、あの娘には…生きる価値など無い。」
そのイヴの言葉を、どうしても聞き捨てられない正義のヒーロー。
「価値がない?」
「…その将印を見ると、この国の第一将に称されるお方か。よもやこのような幼子とは。」
そうなんです!
巨躯でおっさん顔のイヴと、こんなに可愛いおーちゃんが並んでしまうともうおーちゃんが益々小さく…いや、可愛く見えて。
見てられないなって思ったんです!
「大きなお世話や。価値がないって何やねん。」
「オウスケ下がらんかい。」
私の言い付け通り、おーちゃんを止めてくれるカイ。