(二)この世界ごと愛したい
そんないらんことばっかり言ってるから、瞬間移動する兎さんが飛んでくるよ。
「黙って聞いてたらごっつ胸糞悪いわ。」
「…幼子。これは驚いた。目にも止まらぬ速さよ。」
おーちゃんの剣がイヴに届く寸前に、イヴが大きな巨躯を捻り避ける。
「さっさと武器持てや。」
「愉快よ。その速さは愉快。いつかこの馬鹿娘を叩き潰す時の練習台にしてくれよう!!!」
大錐を片手に握るとすぐに、怪獣大戦争の第二弾が幕を開けた。
おーちゃんは私よりも確実に速いので。確かにイヴの良い練習にはなりそうですね。
「それが腹立つ言うとんねん!!!」
「何じゃ、あの馬鹿女に惚れたのか。」
真っ赤になる可愛いおーちゃん。それをただ虐めているように見えるイヴ。
やっぱ絵面最悪だ。
そして私は初めて、ほぼ全力だろうおーちゃんの力を見ている。見るのも勉強になるので、静かに見学する。
本当は今すぐ寝たいんですが。
「悪いことは言わんから止めておけ。」
「やから大きなお世話やって何回言わすねん。」
「このジャジャ馬を扱えるのはルイくらいのもの。幼子には無理じゃ。」
「幼子幼子って俺は成人しとるわ!!!」
そこそこに私が炙ったものの、あのイヴを速さで翻弄しているおーちゃんはやっぱり凄いな。
確かにこの強さは、ハルやシオンにも匹敵するかもしれない。