(二)この世界ごと愛したい



「それにしても忌々しい瞳だな。」


「イヴそれ失礼。最初から喧嘩腰じゃなければ私だって変えたくなかったよ。」


「…色変わりする瞳とは、お前やはり妖の類か?」


「だから失礼。」



地図上でハルの位置は何となく読める。


そこへ向かっているるうは、一体これから何をするのか気になる。



気にはなるけど。




しっかりしろ。


アレンデールの姫として、今私のすべきこと。





「…怪我の功名、か。」


「ハルさんがお怪我を!?」


「イヴ、今から何人の兵なら動かせる?」


「兵…まさか儂がハルさんをお助けに!?」



この勘違い野郎め。




「助けが必要なら援軍要請した兵の数が明らかに変でしょ。」


「…じゃあ、兵とは何だ。」


「私と取り引きしよう、イヴ。」



首を傾げるイヴ。


ぜんっぜん可愛くないけど。





「ヤハネとソルの国境警備、三日間だけアレンデール側三千増やして。」


「何で儂が貴様の言うことを聞き入れねばならんのだ。断る。」


「今度ハルの服盗んで持ってってあげる。」


「引き受けようっ!!!」



簡単で助かる。


この屈強なイヴさんは、実はハルのことが大好きなんです。それはもう、妹である私をここまで憎んでしまえる程に。




「…アレンデールの国境を守るん?」



カイが私にコーヒーを差し出して、声を掛けてくれた。




「一応だよ。ソルからの残党兵が逆上して北上する可能性も否定出来ないから。念のため、ね。」


「西と南はイヴ将軍に任せても、東は?」


「動きはないと思うけど、もし侵攻する国が出て来たら私が行くしかないね。」




まあ、私の予想では。


今このタイミングで進軍する国は東側にはない。




< 852 / 1,120 >

この作品をシェア

pagetop