(二)この世界ごと愛したい
「それにしても忌々しい瞳だな。」
「イヴそれ失礼。最初から喧嘩腰じゃなければ私だって変えたくなかったよ。」
「…色変わりする瞳とは、お前やはり妖の類か?」
「だから失礼。」
地図上でハルの位置は何となく読める。
そこへ向かっているるうは、一体これから何をするのか気になる。
気にはなるけど。
しっかりしろ。
アレンデールの姫として、今私のすべきこと。
「…怪我の功名、か。」
「ハルさんがお怪我を!?」
「イヴ、今から何人の兵なら動かせる?」
「兵…まさか儂がハルさんをお助けに!?」
この勘違い野郎め。
「助けが必要なら援軍要請した兵の数が明らかに変でしょ。」
「…じゃあ、兵とは何だ。」
「私と取り引きしよう、イヴ。」
首を傾げるイヴ。
ぜんっぜん可愛くないけど。
「ヤハネとソルの国境警備、三日間だけアレンデール側三千増やして。」
「何で儂が貴様の言うことを聞き入れねばならんのだ。断る。」
「今度ハルの服盗んで持ってってあげる。」
「引き受けようっ!!!」
簡単で助かる。
この屈強なイヴさんは、実はハルのことが大好きなんです。それはもう、妹である私をここまで憎んでしまえる程に。
「…アレンデールの国境を守るん?」
カイが私にコーヒーを差し出して、声を掛けてくれた。
「一応だよ。ソルからの残党兵が逆上して北上する可能性も否定出来ないから。念のため、ね。」
「西と南はイヴ将軍に任せても、東は?」
「動きはないと思うけど、もし侵攻する国が出て来たら私が行くしかないね。」
まあ、私の予想では。
今このタイミングで進軍する国は東側にはない。