(二)この世界ごと愛したい
こんな時だけ鋭いアキトは、思い当たる店があるようで。
すぐにトキに目を向ける。
「…おい、トキ。」
「ん?」
「鬼人の戦観戦に行く直前お前シオンと行ってたよな?」
「うん、リン居たね。」
何で言わなかったんだと騒ぐアキト。
もう無視して足を進めるレン。
「アキトが知ったらこうやって度々押し掛けるでしょ。」
「押し掛けていいじゃねえか。」
「こっちが迷惑するの。」
「てかシオンも知ってたな!?そしてレンは何で知ってんだよ!?」
足並み揃えて三人でお出掛け。
何故私がパルテノンにいることを知っているのか聞かれたレン。
「リンが連れてってくれた。」
「はあ?」
「エゼルタで偶然会ってね。トキのお兄さんにも会ったよ。」
「何それ?いつのこと?」
馬の手配も済ませ、今度は馬足を三人仲良く揃えて移動開始。
その道中でレンは私と再会した経緯を説明した。
「シオンからそんな話聞いてない。」
「俺はお前達から聞いてない。」
「アキトは良いんだよ。」
「何でだよ!?」
レンはそんなことよりも私の身体を心配する気持ちが大きく、アキトを相手にもしていない。
夜の移動にも関わらず、アキトがいるためワイワイと賑やかな道中。
このまま夜通し走り続けて、翌日の内にはどうにかパルテノン王都へ到着出来た。しかしもう三人とも流石に疲れの色が浮かぶ。
「レン先にリンのとこ行って来て。俺アキトと宿探して来る。」
「ああ!?」
「アキトが行くと煩くするから。レンに集中して頑張ってもらって、元気なリンに会いに行こうよ。」
「…ちっ。」