(二)この世界ごと愛したい



そんな私の言葉に、この場の皆さんが頭を抱える。




「あ、俺は別に侍らせてねえからな!?」


「別に気にしてないよー。」


「そこは気にしろよ!?」


「何それ。アキト意味分かんない。」



どう伝えれば良いんだと、語彙力のないアキトが言い淀むので。


私は問題ないと伝えた。




「どうせアキトは私が好きなのに、そんなの気にしてどうしたらいいの?」


「どう…って…。」


「好きじゃない人だから遊んでるんでしょ?」


「…お、俺が悪かった!!!」



突然私に頭を下げたアキトさん。


いや、悪いことをされた覚えはないので謝られても困るんだが。




「じゃあもう私これで。」


「待て待て!トキ、お前笑ってねえで止めろ!?」


「リンが面白いから、つい。」


「ついじゃねえよ!」


「ねえ、リン。鬼人の戦話でもしながら少し飲まない?」


「飲むっ!」



ハルの話だと言われると、大人しく席に座る私を許してください。


戦場でのハルの勇姿、聞きたいじゃないですか。




「進軍始めてすぐにさ、鬼人城落としたじゃん。その後軍の足が乱れたんだけど。」


「あーあの訳わかんない城ね。」


「やっぱリンにも読めなかったの?」


「ハルの戦なんて読めた試しないよー。ハルの頭に軍略なんて存在しないから、そもそも読むものがないの。」



それで勝ってしまうんだから、トキや私からすればこれ程恐ろしいものはない。


敵になると勝てる気があまりしない。




「…通りで、あの布陣か。」


「えーどんなだった?ハル怪我してない?」


「もう突撃特化の見たことない布陣だった。そんなに大きな怪我はなさそうだったよ。」


「ううー、私も見たかったー…。」



戦場を掛ける疾風の如く、格好良かったんだろう。


ああ!見たかった!!!




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