(二)この世界ごと愛したい
一人で悶々と、沸々と。
憤った私は髪を束ね、散乱としている気持ちを引き締める。
もう知らん。ハルなんて知らん。
「よし。」
寝よう!!!
もう正真正銘の不貞寝だ!!!
ベッドに潜り、膝を抱えて猫のように丸くなる私。仲間意識からかミケさんが寄ってきて一緒に眠ってくれるらしい。
「ね、ミケさん。」
ハルは私を、嫌いになったのかな。
忘れてしまったのかな。
こんなに痛くて苦しいのはハルも同じだって。
そう思ってたけど、勘違いだったのかな。
「強く…なりたいの。」
いつかのママのように。
サクを待つハナちゃんのように。
私も、なりたかったの。
「…難しいね。」
弱い私は、いつも我慢出来ずに飛び出して。
結局誰かに守られて。
いつまでもこのままじゃダメだって分かったから、こうして国を出たのに。
「…寒い。」
私の冬は、終わらない。
寒くて寒くて、凍えそうだけど。
私の春は、きっと…。
耳を澄ませば聞こえてくるこの音は、未だ冬至にいる私の幻聴なんだろうか。