(二)この世界ごと愛したい



「ねえ、ルイ。」


「あ?」


「ルイはどうして黙認してるの?」


「黙認?」



そこにおーちゃんも割って入る。




「何でお嬢をあの場所から出さへんねん。」


「……。」



私をハルから解放すべきだと。


二人から不運にも責められるるう。




「…まあ、俺は餓鬼の頃から見て来たし。」


「異常やって分かるやろ。」


「…それでも俺には、ハルがやってることが間違いだとは思えねえ。」


「どう見たって間違ってるわ。お嬢に自由はないんやで。」



その異常さを、幼い頃から見て来たるう。


だけど、心からハルは間違っていないと思っている。私に自由を与えないことが正解だと思っている。




「かなり昔はな。リンはハルをちゃんと兄だって呼んでたんだ。」


「それが何やねん。」


「ある日を境に、ハルって名前で呼ぶようになったんで。俺はハルに理由を聞いたことがある。」



それは私の記憶にも残っていないほど、遠い昔の話。





「…妹の願い一つ叶えられない自分が、リンの兄にはなれねえんだと。」


「……。」


「アキトには言った気もするけど。リンにとって、ハルの代わりはいねえ。見てたから分かるだろ。」




おーちゃんとトキ。


その二人を宥めるように、るうは出来るだけ優しい言葉を選ぶように心掛けていた。





「ハルだけが、リンの居場所なんだ。」



言葉を返せば。


ハルがいない場所には私は存在しないことを意味する。



長年連れ添ったるうだからこそ、その痛みも苦しみも一番近くで見ていた。


双方を見た上で、正しいのはハルだと答えを出していた。




「何ならハルに全て押し付けて、見て見ぬふりして来た俺の方が罪は重い。」


「…もう、アレンデールは一回滅ぶべきやで。」


「それを嫌がるのが、他でもねえリンだからな。」





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