(二)この世界ごと愛したい
無駄に溢れる正義感と、自国愛。
それさえなければどれ程良かったかと、ハルとるうは思っていた。
しかし、花は儚いからこそ美しい。
「今日はハルの機嫌がめちゃくちゃ良い。」
「は?」
「ここでリンが何をしてんのかは知らねえけど、リンが楽しそうに笑ってたから。ハルにとって、それ程嬉しいことはねえんだ。」
「…あーもう。俺また頭痛い。」
おーちゃんの正義が根を上げる。
ここまで来ればお手上げだと思うのは仕方ない。それ程までにどうしようもないのだと悟る。
「リンの戦い方がああなった理由が分かった気がする。」
「やっぱ鬼人すげえ。」
「アキトはお気楽だね?リンが遠退いた感じしない?俺は何かもうリンに会うの今は怖いよ?」
「怖がることなんか何もねえだろ。要はリンが生きたいと思う道を築けばいいだけだ。」
このアキトの前向きさに、この場は息を呑む。
ハルがアキトに目を付けたのには、こんなアキトの性格が関与していた。
前向きに愚直に真っ直ぐと。
「それに鬼人が言ってただろ。リンは馬鹿じゃねえんだ。このままじゃ駄目だって自分で分かってるから、今必死に足掻いてる。」
「ああ。リンは今探してるんだ。」
足掻いて、もがいて。
ただ、一つの道を探していた。
「世界の根源をぶっ壊して、ハルと一緒に生きる道を。」