(二)この世界ごと愛したい
「生活はどう?」
「うーん。楽しかったり疲れたり、毎日色々学べるから嬉しいー。」
「…リンは綺麗になったわね。」
「ほんとっ?」
パッと声のトーンが上がるほど、その言葉は私には有り難いもの。
「ええ、本当よ。」
「嬉しい!私今ね、女の子らしくなりたいの!」
私の言葉に首を傾げるママ。
引き続き喧嘩続行していたハルとるうも、首をぐるんと回してこちらに目を向ける。
「女の子らしく?」
「そうなの。でもどうしたらいいのか分からなくて、ママ教えてー。」
「…どうしてそんなこと思ったの?」
私に質問を投げたママに、良く聞いてくれたと言わんばかりに二人も耳を大きくこちらに傾ける。
「私ね、負けたくないお姫様がいるの。」
「お姫様?」
「喧嘩とか戦でなら絶対勝てるんだけどー。そうじゃないから、負けない方法が知りたい。」
ママは少し考えて、答えをくれた。
「…じゃあ、笑顔でいること。」
笑顔。
それで、ユイ姫さんに勝てるのか?
「リンの笑顔はとっても可愛いもの。それに勝ち負けじゃなくて、まずは仲良くなれるように歩み寄ってみたらどうかしら。」
「な、仲良く…。」
…なれる気がしないような性格らしいけど。
遊び半分で戦をして、自己満足のために第一将の椅子を陣取り、民を虐げ、国を陥れて、尚それに気付くこともない馬鹿な人。
私絶対嫌いなんだけど。
「でも、女の子らしくすることは良いことね。リンは運動神経が良いんだし、ダンスを習うのはどう?」
「…やってみる。」
「「はあ!?!?」」
前向きに考えて答えた私に、驚き叫ぶ二人。
どうせ煩くするなら喧嘩でもしていてほしいものだ。
「り、リン…ダンスって…。」
「意味分かってんのか?」
「いや待てルイ、絶対可愛いぞ。やる価値はある。」
「一理あるな。」