(二)この世界ごと愛したい
太っ腹だ。
うちのるうは、やっぱり格好良すぎる。
「…るうが独り身でいるの勿体無い。」
「じゃあお前が貰ってくれ。」
「……。」
「…黙るな。余計虚しくなるだ…ろ…?」
黙り込んだ私を不満に思ったるうが文句を言うために、顔を覗き込む。
しかし私の反応がいつもと違い、るうは戸惑う。
「べ、別に…そう言う意味で言ったんじゃ…ないんだけど。」
「……。」
「あーもうごめん!私が悪いっ!」
トキをお嫁さんに貰うと言うのは何ともなかったんだが、るうだと別だ。
だから不意を突かれて染まった頬を隠すように、私は先を歩く。
「…待てって。」
「っ!」
るうがそっと伸ばした手は、私の手を掴む。
そして何事もなかったかのようにそのまま歩き出す。
「これは迷子防止。気にすんな。」
「っき、気にしてない。」
「…。(あーあ。俺にリンを諦める日なんて来ねえんだろうなー。)」
どこか遠くを見ているるう。
繋がれた手は、やっぱり大きくて頼りになる。私の大好きな手だ。
「そろそろ舞始まるぞ。」
「それは大変!お買い物は舞の後にしよう!良く見える場所確保しなきゃ!」
「席は先に取った。」
「相変わらず仕事が早いねー。」
私が褒めると、るうは逆にまた不満そうな顔になる。
「俺、今お前の専属な。お前が望むことに応えられねえでどうすんだよ。」
るうはいつでも無駄に格好良い。
どうしてくれる。そのせいで私の対応の難易度が爆上がりしているんだが。
「…よし、行きましょう。」
「何か言いかけたろ。何だよ。」
「言わない。」
「何なんだよ。態度わりいな。」