(二)この世界ごと愛したい
態度が悪いとは。
これはまた異なことを言いますね。
「態度に関しては、るうにだけは言われたくないんだけど!?」
「どう言う意味だよ。」
「態度デカい、横柄で口悪い、可愛くない。」
「スラスラと文句並べんな!?」
スラスラ並べさせない人柄であってください。
「そうじゃない奴に仕えて欲しいならそうしろよ。」
「…性格歪んでる。」
「歪んでて悪かったな。」
まあ、確かに。
普通なら従者は態度は丸い方がいいし。穏やかで礼儀正しいに越したことないし。可愛げのある人がいい。性格も真っ直ぐならそれはもう従者として完璧だ。
仮にそんな完璧従者がいたとしても。
「るうじゃないならいらない。」
「…壁が欲しい。」
「え、壁!?」
「精神統一したい。」
あー頭ごっつんの儀式か。
「はい、どうぞ。」
「っ…り…。」
壁はないので、私は自分の額をるうの額にごっつんしてみた。
喧嘩はしてないが、仲直りの意味も込めて。
「さっきはね、るうがあまりに格好良かったから。伝え方に困っただけ。それに態度悪くても無礼でも、私はそんなとこも気に入ってるの。」
「…ふん。」
「いったぁっ!?」
本気で壁を相手にしているかのように、ゴツンと頭突きされた私。
めちゃくちゃ素直に褒めただけなのに!?
「思わせぶりやめろって言っただろ。」
「痛いんですけど!?」
「俺をどうする気だ。何もかもぶっ飛ぶぞ。」
何がぶっ飛ぶかは知らないが、まず謝れよ。
「残念ながらわざとです。思わせぶったつもりはありませんー。」
「…そんな技まで身に付けたのか。」
「ふりじゃなくて、ちゃんと思っててほしいからね。結局離れられないのはお互い様でしょ?」