(二)この世界ごと愛したい
るうが時に恋愛感情さえ抱いても。
大きな喧嘩をしても。
結局私が大事で仕方ないるうなんだから、結果離れることなんてない。
「だけど転職離職されないように、私も出来ることはさせてもらうね。」
「…これ以上何する気だ。」
怯えているようにも見えるるうに、私は思いっきり飛び込んだ。
「大好きだから、これからもよろしくー。」
「…。(壁が欲しい。)」
恋煩い中かもしれないが、その関係性は一度リセットされたのかもしれないが、それでもどうせお互いに必要なうちは良いじゃないか。
だからるうは専属になってくれた。
この先私が他の誰かの手を取る可能性もある中で、自分の痛みよりも私の手を離さないことを選んだ。
「もう逃げないって、決めたもん。」
「…可愛すぎてどうしよう。」
「あ、るう時間ヤバいって!早く行こうっ!」
思えば私のことが好きなのに、結婚する時でさえ着いて来てくれたるうだもの。
だからこれからも、痛い時は一緒に分けたいし。悲しい時は一緒に泣きたい。楽しい時は一緒に笑っててほしい。
「…欲なんて、出て来てくれるなよ。」
「るーうー!早くー!!」
「…。(今こうしてリンが自分で生き始めたことだけに満足しとけ。俺の阿呆。)」
「おっそい!!!」
「…あ?」
ブツブツ何か言ったり、考え込んだり。
舞が始まってしまうのに遅れたらどうしてくれるんだ。
「るうっ!?」
「…捕まってろ。」
突然私を抱き上げたるうが、人混みから私を守りながらズンズンと進んでいく。
そして舞台の前で降ろしてくれる。
「間に合ったな。」
「うん。」
「てかお前が舞を覚えてどこで披露するんだよ。」
「お披露目は置いといて、今はこういう教養を身に付けたいって話ですー。」