(二)この世界ごと愛したい
そして、物がほとんど無くなったとは言え。
この部屋はレンの匂いで溢れている。
染み付いたこの匂いの中は、まるでずっとレンに包まれているみたいだ。
「…迷惑だよ。」
唇を離したレンから、はっきり迷惑だと言われた。
「だ、だからって…。」
「リンの心配ばっかりしなきゃいけない。迷惑だからもう止めて欲しい。」
「は…?」
「軍って、また戦?怪我するの?寝不足ですって顔で?」
レンの心配の矛先、今は間違ってると思います。
いつもそうだけど、まずは自分の心配をしてほしいものだ。
「戦はもう少し先だし、私戦わないから怪我もしない。寝不足は今だけ。」
どうにも雰囲気がめんどくさい流れなので、足早に説明して。私はレンの側からそっと離れる。
そんな私の背中に、レンが声を掛けた。
「…さっきの話。リンの命はリンのじゃないって、何なの。」
「…そのまま。私が生きてるのは自分の意思じゃない。」
…ほらね、もうめんどくさい。
「そっか。」
「…うん。」
「リンの職場の人もエゼルタに行くんだね。」
…うん?
意外とサラッと私の話流れたな?
「…おーちゃんはオウスケって言う名前なの。私の名前向こうで出されると困るから、おーちゃんのこと名前で呼んであげてね。」
「わかった。」
「…レンのお城に炎の補填もします。」
「ありがとう。」
「…体調も今は問題ないけど、何かあったらまたカイが連絡するかもしれないです。」
「よろしく伝えといて。」