「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
   ✳

その山口さんと駅で別れて、一人電車に乗る。

健がくれたハチミツレモンのペットボトルを見つめる。

試合後や疲れた時はこれを飲む。
当たり前のように健は知ってくれている。


ちゃんと、言えた。
おめでとうって言えた。

まだ胸が痛いけど……だけど、『可愛がっていただいてる後輩』として、ちゃんとお祝いが言えた。

でも...胸が痛い…。



花ちゃんが嫌な人ならよかったのに…。
外見も内面も素敵で、憧れの先輩なのに…。
そんな花ちゃんに対して、こんな風に嫉妬してしまう…。

ううう。最悪だ。
目を閉じて、前に抱く鞄をギュッと抱き締めた。
睫毛の隙間から溢れてくる涙をそっと拭いた。

♪~。ブルブルブルブル。


鞄のなかで微かにスマホが振動し、小さな音がなった。

あ、やば。
音消すの忘れてた!
ごめんなさい!

慌ててスマホを出してマナーモードにする。

スマホの画面にはコウさんからのメッセージが届いたことが表示された。


『お疲れ様』

『お疲れ様です』と返事を返し、いくつかメッセージで会話した。


『電話していい?』

と聞くから
『ごめんなさい 今まだ電車なんです』
とお断りをした。

『電車降りたら電話しますね』
と返事をしてメッセージでの会話は終わった。


スマホを片付けて、俯いていた顔をあげた。


駅まであと12~3分。帰りにコンビニ寄ってごはん買って、家についたら23:00近い。
遅くなっちゃったな。

< 34 / 109 >

この作品をシェア

pagetop