「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
きっと好きになる
コンコン
「美琴、開けていいか?」
「あ、うん」
「大丈夫?」
コウさんが座る私の横に座った。
こくりと頷く。
「うん、大丈夫…ごめんなさい」
「ううん、謝ることじゃないよ。ほら、ちゃんと服着な」
そう言いながら、肩にかけただけのままだったコウさんのパーカーの袖を腕に通させて、ファスナーを上げてくれた。
ブカブカな袖を畳んで手を出してくれた。
手が触れた時、
「ん?美琴、冷たくなってるじゃん。ちょっとおいで」
いきなり立たされて手を引かれる。
え?え?と思っているうちに、リビングのソファーに座らされて、毛布を体に巻き付けられた。
「ちょっと待ってて」
キッチンに立つコウさんの方を振り返ろうにも、ぐるぐる巻きにされた毛布が邪魔で後ろを向けれない。
「コ、コウさん?」
「んー?」
「あの・・・・・」
何を言えばいいのだろう。
名前を呼んだけれど、何を話せばいいのだろう。
悩んで何も言えなくなっていると、
「はい。少し熱いから気を付けてね」
と湯気の立つマグカップを差し出された。
「・・・・・」
「・・・・・」
簀巻き状態でどうやって持てと?
手を出そうともがくもなかなか出てこない。
「ごめん、巻き過ぎた」
そう言ったコウさんはマグカップをローテーブルに置いて、毛布を少し緩めてくれた。
コウさんは袖が片方しかまくられていないことに気付いて、手が出ていない方の袖も折ってくれる。
「電話、なんだって?」
「…帰るのが遅かったから、ちゃんと着いたかって…心配してくれたみたい」
「会社の人?」
「…うん」
「もしかして。それは、さっき言ってた、男性?」
「‥‥‥うん。そう」
「そっか」
背中と足に毛布を掛けられて、マグカップを渡される。
「持てる?」
「うん。ありがとう」
受け取って中を見ると、お湯が入っていた。
「ホットレモンだよ。インスタントだけどね」
「ありがとう、これ好き」
「よかった」
再び立ち上がったコウさんはキッチンの方へ行きながら、
「ハチミツレモンのペットボトルって久しぶりに見た」
「そう?」
「うん」
「そう言われてみれば…最近あまり見ないかも」
「疲れた時とか飲むとほっとするよね」
「うん。ホッとする」
コウさんは自分のホットレモンの入ったマグカップを持って、隣に座った。
二人でそれぞれのマグカップを包み込む様に握ったまま、時計の秒針の音だけが静かな部屋に響いた。
きっとコウさんが聞きたいことはさっきの電話と振ったひとのことだろう。
「コウさん」
「ん?」
「…楽しい話じゃないけど、聞いてくれる?」
「うん」
「あのね・・・」
コウさんは取引先だし、健とも親しそうだから名前を出さないようにして話始めた。
「美琴、開けていいか?」
「あ、うん」
「大丈夫?」
コウさんが座る私の横に座った。
こくりと頷く。
「うん、大丈夫…ごめんなさい」
「ううん、謝ることじゃないよ。ほら、ちゃんと服着な」
そう言いながら、肩にかけただけのままだったコウさんのパーカーの袖を腕に通させて、ファスナーを上げてくれた。
ブカブカな袖を畳んで手を出してくれた。
手が触れた時、
「ん?美琴、冷たくなってるじゃん。ちょっとおいで」
いきなり立たされて手を引かれる。
え?え?と思っているうちに、リビングのソファーに座らされて、毛布を体に巻き付けられた。
「ちょっと待ってて」
キッチンに立つコウさんの方を振り返ろうにも、ぐるぐる巻きにされた毛布が邪魔で後ろを向けれない。
「コ、コウさん?」
「んー?」
「あの・・・・・」
何を言えばいいのだろう。
名前を呼んだけれど、何を話せばいいのだろう。
悩んで何も言えなくなっていると、
「はい。少し熱いから気を付けてね」
と湯気の立つマグカップを差し出された。
「・・・・・」
「・・・・・」
簀巻き状態でどうやって持てと?
手を出そうともがくもなかなか出てこない。
「ごめん、巻き過ぎた」
そう言ったコウさんはマグカップをローテーブルに置いて、毛布を少し緩めてくれた。
コウさんは袖が片方しかまくられていないことに気付いて、手が出ていない方の袖も折ってくれる。
「電話、なんだって?」
「…帰るのが遅かったから、ちゃんと着いたかって…心配してくれたみたい」
「会社の人?」
「…うん」
「もしかして。それは、さっき言ってた、男性?」
「‥‥‥うん。そう」
「そっか」
背中と足に毛布を掛けられて、マグカップを渡される。
「持てる?」
「うん。ありがとう」
受け取って中を見ると、お湯が入っていた。
「ホットレモンだよ。インスタントだけどね」
「ありがとう、これ好き」
「よかった」
再び立ち上がったコウさんはキッチンの方へ行きながら、
「ハチミツレモンのペットボトルって久しぶりに見た」
「そう?」
「うん」
「そう言われてみれば…最近あまり見ないかも」
「疲れた時とか飲むとほっとするよね」
「うん。ホッとする」
コウさんは自分のホットレモンの入ったマグカップを持って、隣に座った。
二人でそれぞれのマグカップを包み込む様に握ったまま、時計の秒針の音だけが静かな部屋に響いた。
きっとコウさんが聞きたいことはさっきの電話と振ったひとのことだろう。
「コウさん」
「ん?」
「…楽しい話じゃないけど、聞いてくれる?」
「うん」
「あのね・・・」
コウさんは取引先だし、健とも親しそうだから名前を出さないようにして話始めた。