「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
「美琴?」
お風呂から上がったコウさんがタオルで頭を拭きながらこちらに歩いてくる。

顔を上げてコウさんを見上げる。

「お待たせ。何か見たいのあった?」
「ううん。探し忘れた」
「忘れたの?」
「うん」

私の横に座ったコウさんが、優しく私の髪を梳く。

気持ちいい…。

目を閉じて、首を傾け、その手の平に頬を摺り寄せる。

うん。私、やっぱりコウさんのこと好きになってる。

ゆっくりと目を開け、コウさんを見つめる。
コウさんは手の平を私の頬に当てたまま、親指で顔を優しく撫で続ける。

「ね、コウさん」

「ん?」

コウさんの瞳が甘く私を見つめる。

「好きよ」

ピクリと、指先が止まった。
驚いた顔をしたコウさんは、ふっと微笑むと、

「俺も、美琴が好きだよ。
自分でも驚くくらいに‥‥めちゃくちゃ好き…」

ゆっくりと唇が重なった。
ゆっくりと、柔らかく、触れ合うようなキス。
そこに互いに互いがいることを確認するかのように、軽く開かれた唇を食むようなキス。

「ふ…ぁ…」
気持ちよくて声がでた。

「おいで」
「ん」
コウさんにキスされながらゆっくりと立たされる。
ゆっくりと、でもだんだん深くなって行く。

コウさんの首に腕を回され、お姫様抱っこをされる。
「ん…」

抱っこで寝室に運ばれながら、私から何度もコウさんにキスをした。


ゆっくりとベッドに降ろされた私を挟んで腕がつかれた。
薄暗い寝室で、見つめ合う。

心臓がどきどき音を立てる。

「…恐い?」
それはまるで私にお伺いを立てるかのようにそっと尋ねられた。
「ううん。恐くない」

コウさんはじっと私を見つめながら、そっと唇に触れた。
そっとなぞる指先は、頬へ、耳へと移動する。

あ・・・。

ぞくっとした感覚を覚えた。

そのまま首筋、肩、腕、指先…そして指を絡め合う。

「好きだ」
囁くように告げられる。

「私も好き」

コウさんに撫でられいるうちに暗さに慣れてきて、コウさんの顔がはっきりと見えるようになった。

コウさんの瞳が揺れ、私の瞳の奥を覗き込んでいる。

「私、コウさんに出会えて、本当に良かったって思ってる」
「…美琴」




その夜。
私はコウさんに抱かれた。
初めての痛みと、蕩けるような感覚を感じた。
何度もキスされ、必死にキスを返した。



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