「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
コウさんの車に乗ってはじめてのドライブデート。

「何か、音楽聞く?」
「うん。何がいい?」
「美琴の好きなのでいいよ」
「うーん。そうだなあ」

スマホをスクロールして私が好きで、尚且つコウさんも知っている曲を探す。
「じゃ、これは?」
誰もが知っていて、いい曲だらけなメジャーなバンドを選択する。
「あ、このバンドいいよね」

お互いの好きな曲もまだ知らない。
でも、ここから少しずつ知っていくんだよね。

おしゃべりをしながら運転席のコウさんを見る。
綺麗に通った鼻筋。
車線変更のために周囲を確認する目。
少し捲った袖口から見える腕の筋とか、かっこいいなあ。

「ん?どうした?」
ちらりとこちらを見る表情に心臓が撃ち抜かれる。
「う、うん、なんでもない。そういえばさ」
かっこよさに負傷した心臓を摩る。


しばらくして、流している音楽が途切れた。
車内に着信音が響いた。
メールではなく、鳴り続ける着信音。


スマホの画面を見ると『山口さん・会社』と表示されている。
何かあったのだろうか。

「会社の人からなんだけど。ごめん、出ていい?」
「もちろん」

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