「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
他部所のみんなのおかげで、シール貼りも夕方には終わり、私は家路についた。

ホームで電車を待ちながら、コウさんに連絡を入れるかどうか悩んだ。
私の都合で今日のデートがなくなったのに、仕事が終わったとすぐに連絡してもいいものなのだろうか?

一応、車の中で
「今日何時になるか分からない」
「遅くなるようなら電話して。心配だから迎えに行く」
という話にはなったけれど、今はまだ6時前。
思っていたよりもずっと早くに作業は終わった。

コウさんだって予定がなくなれば、自分の好きなことをしているはずだもの。遅い時間でもないし、連絡したら迷惑になるんじゃないかな。
どうしたものかとスマホを見つめながら思い悩んだ。

ブーン。
手に持ったスマホが震えた。
コウさんからのメッセージが届いた。

【今晩は鍋が食べたい気分なんだけどさ。
良かったら一緒に食べない?
無理そうだったら遠慮しないで断って】

嬉しくなった私は急いで返事を送った。
【逢いたい】と。

逢いたいと送ってしまった…鍋のお誘いの返事としては不正解だよね。

『3番線に電車が入ります』
というアナウンスが入り、私は電車に乗った。

送信取り消して、返事を打ち直そう。
再びスマホをタッチする。

【既読】

・・・・・え?はやッ!
取り消す前に読まれてしまった。
と、とり合えず仕事が終わってもう電車に乗ったことをお伝えしよう。

メッセージを入力していると、返事が届いた。

【俺も美琴に逢いたい】
【遅くなってもいい 少しでいいから逢いたいよ】

うっ!甘い!!
頭の中でコウさんの声で再生してしまった。
甘すぎて立ち眩みがした。


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