「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
朝ごはんは、昨日の夜ご飯の残りとトースト。

「今晩、家で待っててほしいな」
と鍵を渡された。

こ、これは『合鍵』というやつでは?
確かに私は彼女だけど、そんなにすぐに鍵とか渡していいの?

じっと鍵を見つめていると、
「用事あるなら待ってなくてもいいよ」
と言うので、
「家の鍵は人に簡単に預けてはいけないと思う」
「あははは、大丈夫、それ予備の鍵だから」
と言うから、
「予備ならいいと言うものでもないと思う」
と言うと笑われて、
「美琴だから持っていて欲しいんだよ」
と指先で頬をさらりと撫でられた。


  *

「いってらっしゃい」
「いってきます」

コウさんはニコニコしながら仕事に出かけて行った。
私は簡単にコウさんの部屋を片付けて、自分の家に戻ることにした。

  *

コウさんの部屋の鍵を閉める。
ガチャン。

掌の中にある鍵を見つめ、財布の中に大切に入れた。



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