「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
「あ。お茶、買ってもいい?喉が渇いちゃって」
と、花ちゃんは観客席に行く前に、自動販売機で緑茶を買った。

ハチミツレモン、あるかな。
5台並んだ自販機だったが、私の好きなハチミツレモンはなかった。
結局ミネラルウォーターを買った。
「お待たせしました」
と花ちゃんに近付くと、
「随分探してたけど、欲しいドリンクなかったの?」
と尋ねられた。

「ハチミツレモンが欲しかったんだけど、どこに行ってもなかなか見つからなくて。
自販機が5台もあったし、サッカーグランドの自販機ならあるかなって思ったんだけど、ここにもなかった」

「え?もしかして、健にハチミツレモンもらったことある?」
「うん。仕事終わりの時とかちょこちょこくれるよ。
今度どこにあるか聞いてみようかな」

「うーん…そっかあ…うーん」
「ん?花ちゃん?」

「うーん。そのハチミツレモンさ、もしかしたら壮のマンションの近くにあるかも」
「え?」

「健が壮の家に遊びに来た時に、必ず近くの自販機でハチミツレモンを買って帰るのよ」
「ええ?」

「どこにも売ってないって。
ハチミツレモンが好きなヤツかいるからって。
何本か買って帰るの」
「それって…」
「誰が飲むかは聞いてないから憶測でしかないけど‥‥いつも健は嬉しそうに笑って買ってるよ」

健は私のために買っていたということ?
まさか、そんなことある?



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