「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
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勤務時間が過ぎた。
ささっと机回りを片付けて席を立つ。

「お疲れさまでした。お先に失礼します」
営業室を出てエレベーターに向かう。
エレベーターの前は仕事が終わった社員たちで列ができていた。
その列を避けるように階段に向かった。


ふう、やっと帰れる。
今日は物凄く疲れた。
問い合わせの電話も多かったし、作成を頼まれる書類仕事も多かった。
睡眠不足の脳ミソだと自分でも分かっていたから、ミスがないように確認するのにいつも以上に気を使った。

いつもなら、こういう日はさっさと帰ってお酒飲んで何も考えずに寝てしまっていた。
でも、今は家に帰るのが辛い。
歩いて3分の所にコウさんがいる。
コウさんの所に行って文句の一つも言ってやろうか。
それともコウさんが好きだと抱き着こうか。

・・・きっとどちらもできないんだよ。

だって、コウさんは私の『好き』を信じてないんだから。


どうしたら伝わるんだろう?



階段を下りた私は会社の外に出た。
まだ明るい夕方の空を見上げた
今日は雲は流れが速く、乱れていた。


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