苦くも柔い恋
「私の一体どこが…」
「嫌いだっつってんのに家上げる、泊まらせる。他の男と2人で食事行く。すぐ赤くなる、キス待ち顔する」
「してない!」
「あと昔から思ってたけど、お前夏になると暑いからって薄着しすぎなんだよ」
「え?」
昔からと言うけれど、特に思い当たる節もなく訝しげな顔で首を傾げた。
「…お前が告ってきたとき、自分がどんな格好してたか思い出してみろよ」
「覚えてないよそんなの」
「…っ、はー…お前のそういうところマジで腹立つ」
千晃は頭を抱えながら毒を吐く。
理不尽な気はしたが今は何を言っても文句が返ってきそうなので黙り込んだ。
「今だって無防備が過ぎるんだよ。あの胸元ダルダルに伸び切った部屋着いい加減捨てろ」
「なっ…」
「あと脚も隠せ。下着みてえな短いパンツやめろ。お前本当に貞操守る気あんのか」
千晃の言葉が進むたび羞恥が込み上げて体が熱くなる。
今まで他人からそういった目で見られる事が無くて全く意識してこなかった。
しかも胸元とか下着とか貞操だとか、淡白そうな千晃から到底出るとは思えないワードの数々が飛び出してきてもう一体どこの何を恥ずかしがればいいのか分からなくなった。