苦くも柔い恋
「な、なんでそんな恥ずかしいことばっかり言うの…!」
「逆にこれまで意識してこなかったことにビックリだわ」
「だ、だって私別にスタイル良いわけじゃないし誰も興味なんか無いだろうし…」
居た堪れず目を背ければ、千晃が呆れた声を上げる。
「実際にヤラシイ目で見てる奴が今ここにいるだろうが」
「しし、知らないよそんなの!ていうか前から思ってたなら言ってよ!」
「はあ!?おま、欲情するから肌晒すなとでも言えってか!」
「ちがっ…!」
既に赤かった顔は更に染まり、千晃まで赤くなるからお互いに言葉が続かなかった。
いい大人が真夜中の公園で口喧嘩なんてそれだけでも恥ずかしいのに、一体自分達は何をしているんだ。
そう思うとなんだか急に頭が冷えてきて、手で仰ぐようにして顔の熱を引かせる。
「…千晃って、案外嫉妬深いんだね」
「分かったなら今後の行動は気をつけろ」
「なにその言い方。…ていうか、千晃が昔と態度が変わり過ぎなんだよ」
「変わんねえと昔の二の舞だろうが」
すると突然、手が掬われ握られた。
ビクリと身体が跳ねるも、構わず指を絡められる。
「ちあ、」
「お前が好きだ」
唐突に言われた告白に、目を大きく見開いた。
「信じられねえなら何度だって言う。不安になんかさせねえ」
指を絡めた手を、更に強く握られた。
「だから和奏も、今の俺を見てくれ」
静かな夜の公園に、千晃の不安げな声だけが響いた。