苦くも柔い恋
けれどそんな事少し考えれば、美琴に交際を伝える人物なんて自分以外には1人しか居ない。
「まさか、千晃が言ったの…?」
和奏と千晃の交際はどちらが言うでもなく秘匿だった。
だったらそんなの、千晃以外居ないじゃないか。
「そうだけど」
「……」
「そもそも美琴は俺が和奏を好きな事ずっと知ってたしな」
「…え、ええ!?」
ちょっと待って理解が追いつかない。
寝起きの頭で処理するには些か多過ぎる情報量だ。
だって美琴はそんな事、一言だって言わなかった。
だとしたら、一体彼女は何を考えていたんだろう。
何が目的であんな挑発をしてきたんだろう。
美琴の読めない思考に戸惑う和奏とは対照的に、千晃はそこまでそこに重きを置いてないように続けた。
「和奏の居場所を知らないか聞いた時に一回連絡したくらいで、あとは別に関わり無かったな」
「同じ大学だったのに?」
「一回裏切られたんだ。信用できなくなった」