苦くも柔い恋
——まさかこんな形で認める事になるとはなあ…
内心でそう思いながら、和奏は言った。
「…なら、お言葉に甘えちゃおうかな」
千晃がパッと顔を上げ、目が合うと和奏はふわりと笑った。
「私、肌触りが良いものがいいな」
「…そうかよ」
「うん」
千晃に伝えるのはまだ怖い。
今はまだこの幸せを失いたくない。
だからもう少し、自分の気持ちが揺るぎないものになるまで待ってもらおう。
胸にそう言葉を落とし、和奏も商品を選ぶため棚へと体を向けた。