苦くも柔い恋
千晃はよく分からないといった顔をしたが、当日の楽しみだと、美味しかったらお土産で買って帰るねと言っておいた。
千晃は短く返事をしたが、少し黙り込んだ後尋ねてきた。
「そこ、部屋風呂あんの」
「え?ううん、今回は無いところにしたよ」
同性同士だから必要ないかなと思い部屋で食事を取れるだけのプランにした。
女子旅だと専用のプランを用意してくれている事があるので大いに助かる。
なんでそんな事を聞くんだろう千晃を見つめた。
「俺も和奏と行きてえ」
「行くって温泉に?」
「ん、部屋風呂あるところな」
にやりと笑うので、なんとなく千晃の思考が読めてしまった。
「い、行ってもいいけど、」
「けど?」
この先を言えば揶揄われる気しかしないので、やっぱり言うのをやめた。