苦くも柔い恋
聞き返したところで千晃はなんでもないと首を振るだけで、言い直してはくれなかった。
「…出来るだけ、連絡はまめに送る」
「うん…ありがとう」
「和奏は旅行楽しめよ。ただし男は一切寄せ付けんな、いいな」
「だから買い被り過ぎだって」
一瞬曇った千晃の表情が気にはなったけれど、気にしない事にした。
信じると決めたのだ。揺らぐわけにはいかない。
そう思い視線を外へと向けた時にガラスに反射して見えた顔は、どこか不安げに揺れていた。