苦くも柔い恋


目的の水族館へと到着し、駐車場を抜けて正面ゲートまで歩けば大きなシャチとイルカのモニュメントが出迎えてくれた。

一緒に写真を撮らないかとスタッフに声をかけられたが、和奏は丁重に断った。
いいのかよと言う千晃に和奏は頷く。


「写真って苦手なんだもん」


千晃だってそうでしょと聞けば案の定まあ…と曖昧な答えが返ってきた。

そのまま館内への入り口のところに置いてあったパンフレットを取って開いて2人で覗き込み、一番の目的であるショーの時間を確認する。


「次は17時からみたいだね」

「それまで適当に中見て回るか」

「うん。…あ、待って、スタンプラリーがある」


可愛らしいシャチのイラストの下にスタンプが置かれており、3歳くらいの少年が母親に手伝ってもらいながら楽しげにそれを押していた。



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