苦くも柔い恋



「なにこれ、可愛い!」


シャチをモチーフにしたであろう肉まんや、白と黒のソフトクリームに可愛らしいイメージキャラクターのクッキーが飾られていて思わず目を輝かせた。


「好きだろうと思った」


千晃が軽く笑いながら言い、席に腰を下ろす。


「ありがとう千晃。写真撮ってもいい?」

「ドーゾ」


千晃に持っていてもらいバッグからスマホを取り出していると、側の階段を歩いていた人影が止まった。


「ほら、やっぱり日比谷だ」


千晃の名字に反応し、顔を上げた。
そこには知らない男女が腕を組んで立っていて、恋人同士であろうことはすぐに察しがついた。


「ほんとに日比谷くんじゃん!」

「まさかこんな所で会うなんてな。奇遇〜」

「お前らも来てたのかよ」


嬉々とした表情を向ける男女とは対照的にうんざりした顔をする千晃。

全く見覚えがないところを見ると、おそらく大学時代の友人か会社の同僚かの2択になるがどちらだろう。


< 202 / 267 >

この作品をシェア

pagetop