苦くも柔い恋




「だって幼馴染って聞いてたし、大学も一緒なんでしょ?おんなじ会社に就職までしてさ。実は隠れて付き合ってるのかなって思ってる人、割と多いよ」

「……」


ズキズキと胸が痛み、またこれかと頭痛がする。

女の意図はわからない。けれど結局どこまでいっても美琴が上で、自分は下。

今でも尚当たり前のように千晃の隣には美琴が置かれるその事実に目の前がくらくらとして、意識が飛びそうになった。

けれど刹那の後、はっきりと聞こえた千晃の舌打ちで我に返った。


「なら今すぐその認識を改めろ」


千晃の低い声が響き、安心しろとでも言うように手が握られた。


「そんで今すぐその馬鹿どもに訂正しとけ。俺の女はこいつだって」


激怒している。それがありありと伝わってくるほどの雰囲気を醸し出していた。

直接怒りを向けられているわけでもない和奏ですら直感で恐怖を覚える、そんな気迫があった。


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