苦くも柔い恋


「要は誰かの言う"不釣り合い"なんてのは、意味をなさねーって事だよ。状況や年齢、環境が変われば他人の評価なんてころりと変わる」

「……」

「俺的には、その彼氏くんはいい奴だと思うぞ」

「はい?」


明らかに不快そうに顔を歪めた和奏に、耐えきれなくなった香坂がハハっ!と声を上げて笑った。


「別に肩持ってるつもりはねえからそんな怖い顔するなよ」

「……」

「ただな、橋本。お前ちょっとその彼氏くんを買い被り過ぎてるんじゃないか」

「え?」


買い被り過ぎ、千晃の評価を上げ過ぎてるということだろうか。

そんなことは無いはずだ。


幼い頃から千晃を見てきて、性格だって熟知しているし、それこそ得意なことも苦手なことも全部わかった上で彼を好きになったのだ。

弱いところも、かっこ悪い部分を含めて、全部。
そう思って香坂を見つめるも、相変わらず穏やかな表情で笑っているだけだった。


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