冷徹ドクターは初恋相手を離さない
そうしているうちにあっという間に一週間が過ぎた。実習終了日の一日前に村田さんが退院したのでお見送りをして、吉村さんも経過が順調なので来週の水曜日までには退院できる見通しが立ったということを確認して、統合実習は終了した。
吉村さんの退院を見送れなかったことは残念だったけど、それは吉村さんも同じようなことを思っていてくれたらしい。最終日にお手紙をもらったのでそれを家に帰ってから読むと、ぼろぼろと涙が溢れた。
「『あなたの笑顔と、不安な私の心に寄り添う姿に元気をもらいました。おしゃべり相手にもなってくれて嬉しかったわ。きっと立派な看護師さんになるでしょうね。またどこかで会えますように』……か」
吉村さんの手紙を読んで、自分に少しだけ自信が持てた。
私はその手紙が入った封筒を、大切に箱に入れてベッドサイドの背の低い棚に仕舞う。
またいつか、この手紙から力をもらう時が来るのかもしれない。そう思いながら──
吉村さんの退院を見送れなかったことは残念だったけど、それは吉村さんも同じようなことを思っていてくれたらしい。最終日にお手紙をもらったのでそれを家に帰ってから読むと、ぼろぼろと涙が溢れた。
「『あなたの笑顔と、不安な私の心に寄り添う姿に元気をもらいました。おしゃべり相手にもなってくれて嬉しかったわ。きっと立派な看護師さんになるでしょうね。またどこかで会えますように』……か」
吉村さんの手紙を読んで、自分に少しだけ自信が持てた。
私はその手紙が入った封筒を、大切に箱に入れてベッドサイドの背の低い棚に仕舞う。
またいつか、この手紙から力をもらう時が来るのかもしれない。そう思いながら──