冷徹ドクターは初恋相手を離さない
「何か考え事か?」
先生はパンケーキを食べながら聞いてくる。
「いえ、なんでもないです。ただちょっと考えていたんです。先生ともっと早く出会えていたら良かったのになぁ。なんて……」
「ふーん。そうか」
「あっ」
私はつい、本音をぽろりと零してしまった。
先生といるとなぜか言おうと思っていなかったことまで言ってしまう。私は誤魔化すようにグラスの水を飲んで目を逸らす。
「ははっ。いちいち可愛い反応をするんだな、君は」
先生はそう言うと、私の頭を優しく撫でる。
「先生!?」
「表情が豊かで見ているだけのはずなのにこっちまで元気になる。吉村さんも言っていたよ。君が傍にいて、話をしているだけで自然と元気をもらえたってな。それと、君の真面目で誠実な態度を褒めていた。とても楽しそうに話してくれていたから伝えておく」
そんなことを吉村さんが主治医である先生に話していたとは思わなかった。
私の関わりが、入院中の吉村さんを支えることができたんだ。
今までの実習の思い出や、口に出さずとも心の中では思っていることが次々と押し寄せてしまい、急に涙が溢れてきた。
「俺の前では、もっと素直に感情を見せてほしい。言いたいことを我慢する必要なんてない」
ぐす、ぐす、と鼻水まで出てくる。
私、荒木先生になら、全部、ありのままの私を晒してもいいのかな? この人なら、私のすべてを受け止めてくれるのだろうか。
荒木先生の優しさに触れると、氷のように閉ざしていた私の心の扉が、荒木先生のじんわりと温かい大きな優しい手で氷ごとを融かして徐々に開いていくように感じた。
先生はパンケーキを食べながら聞いてくる。
「いえ、なんでもないです。ただちょっと考えていたんです。先生ともっと早く出会えていたら良かったのになぁ。なんて……」
「ふーん。そうか」
「あっ」
私はつい、本音をぽろりと零してしまった。
先生といるとなぜか言おうと思っていなかったことまで言ってしまう。私は誤魔化すようにグラスの水を飲んで目を逸らす。
「ははっ。いちいち可愛い反応をするんだな、君は」
先生はそう言うと、私の頭を優しく撫でる。
「先生!?」
「表情が豊かで見ているだけのはずなのにこっちまで元気になる。吉村さんも言っていたよ。君が傍にいて、話をしているだけで自然と元気をもらえたってな。それと、君の真面目で誠実な態度を褒めていた。とても楽しそうに話してくれていたから伝えておく」
そんなことを吉村さんが主治医である先生に話していたとは思わなかった。
私の関わりが、入院中の吉村さんを支えることができたんだ。
今までの実習の思い出や、口に出さずとも心の中では思っていることが次々と押し寄せてしまい、急に涙が溢れてきた。
「俺の前では、もっと素直に感情を見せてほしい。言いたいことを我慢する必要なんてない」
ぐす、ぐす、と鼻水まで出てくる。
私、荒木先生になら、全部、ありのままの私を晒してもいいのかな? この人なら、私のすべてを受け止めてくれるのだろうか。
荒木先生の優しさに触れると、氷のように閉ざしていた私の心の扉が、荒木先生のじんわりと温かい大きな優しい手で氷ごとを融かして徐々に開いていくように感じた。