冷徹ドクターは初恋相手を離さない
「照れているのか? 可愛い」
「からかわないでください」
「俺は思ったことはちゃんと口にするタイプだ」
先ほどまでのいたずらっ子のような笑みから一変した表情。
真剣な眼差しで私の瞳の奥まで貫くように見つめてくる先生を見ると、その言葉に偽りはないのだとすぐにわかった。
「すみません……」
もともとの性格もあるだろうけど、今の私は裕太との関わりから自信を失いかけている状態だ。こんなに純粋な気持ちで伝えられた言葉すら信じられないでいる。反射的に謝罪の言葉が出てしまった。
「謝るな。詩織は悪くないだろう」
先生はそう言いながら頬杖をついて眉をひそめていた。
その後、若干の無言の時間が流れる。私が何か話さなきゃと思いながらパフェを数口食べて考えていると、注文していたホットケーキとアイスコーヒーが運ばれてきた。
「どうも」
荒木先生は店員さんの方を見てそうお礼を言う。
(先生、店員さんにもしっかりお礼するんだ)
私も何か持ってきてもらったらお礼をするし、お会計の後にごちそうさまでした、と言うタイプだ。それは母がそうしていたから自分もそうするようになっただけで、特別しつけられたとかではない。
でも、こうしたちょっとした『同じだ』と思えるものが多い人の方が一緒にいて心地がいい気がする。
裕太は店員さんに横柄な態度を取ることも多かったな……なんて思ってしまう。
「からかわないでください」
「俺は思ったことはちゃんと口にするタイプだ」
先ほどまでのいたずらっ子のような笑みから一変した表情。
真剣な眼差しで私の瞳の奥まで貫くように見つめてくる先生を見ると、その言葉に偽りはないのだとすぐにわかった。
「すみません……」
もともとの性格もあるだろうけど、今の私は裕太との関わりから自信を失いかけている状態だ。こんなに純粋な気持ちで伝えられた言葉すら信じられないでいる。反射的に謝罪の言葉が出てしまった。
「謝るな。詩織は悪くないだろう」
先生はそう言いながら頬杖をついて眉をひそめていた。
その後、若干の無言の時間が流れる。私が何か話さなきゃと思いながらパフェを数口食べて考えていると、注文していたホットケーキとアイスコーヒーが運ばれてきた。
「どうも」
荒木先生は店員さんの方を見てそうお礼を言う。
(先生、店員さんにもしっかりお礼するんだ)
私も何か持ってきてもらったらお礼をするし、お会計の後にごちそうさまでした、と言うタイプだ。それは母がそうしていたから自分もそうするようになっただけで、特別しつけられたとかではない。
でも、こうしたちょっとした『同じだ』と思えるものが多い人の方が一緒にいて心地がいい気がする。
裕太は店員さんに横柄な態度を取ることも多かったな……なんて思ってしまう。