冷徹ドクターは初恋相手を離さない
ちなみに直哉さんが出産費用を全額負担してくれている。妊娠出産をしない自分にできることは出産費用の負担と、家事をしたり仕事で稼ぐことしかないからと言って、私は折半のつもりでいたのに絶対に俺が払うと主張を曲げず、結局私が折れてお願いすることにした経緯がある。
「はあ、もうすぐ出産かぁ……なんだか実感湧かないなぁ」
暇な時間があるとつい過去のことを振り返ってしまう。
「今日はいい天気だよ~」
私は大きくなったおなかを撫でると、ぼこ、とおなかを蹴られた。
「ほんとに君は元気だねぇ、男の子だもんね。早く出たいのかな? ふふ」
愛おしい我が子に早く会いたい気持ちと、出産に対する不安とが入り混じる。
そんなそわそわとした気持ちが入院をしたことで以前よりも増強した気がするのは、出産予定日が近づいてきているからだろうか。
「ママも早く君に会いたいよ~」
小さく笑いかけながらおなかに向かって話しかける。
こうしたコミュニケーションが聞こえているかはわからないけれど、直哉さんも楽しそうに赤ちゃんとお喋りをしているから、その様子を見た私も幸せな気持ちになれる。
「仕事、大丈夫かなぁ……」
我が子の誕生も楽しみだが仕事のことも不安に思っている。
三年間は看護師の新人期間とされているので、私の年齢を考慮しつつ直哉さんとの相談の結果、三年目以降に子どもがほしいと結論が出た。そして、早ければ四年目の途中から産休に入るタイミングで考えていたわけだ。
「はあ、もうすぐ出産かぁ……なんだか実感湧かないなぁ」
暇な時間があるとつい過去のことを振り返ってしまう。
「今日はいい天気だよ~」
私は大きくなったおなかを撫でると、ぼこ、とおなかを蹴られた。
「ほんとに君は元気だねぇ、男の子だもんね。早く出たいのかな? ふふ」
愛おしい我が子に早く会いたい気持ちと、出産に対する不安とが入り混じる。
そんなそわそわとした気持ちが入院をしたことで以前よりも増強した気がするのは、出産予定日が近づいてきているからだろうか。
「ママも早く君に会いたいよ~」
小さく笑いかけながらおなかに向かって話しかける。
こうしたコミュニケーションが聞こえているかはわからないけれど、直哉さんも楽しそうに赤ちゃんとお喋りをしているから、その様子を見た私も幸せな気持ちになれる。
「仕事、大丈夫かなぁ……」
我が子の誕生も楽しみだが仕事のことも不安に思っている。
三年間は看護師の新人期間とされているので、私の年齢を考慮しつつ直哉さんとの相談の結果、三年目以降に子どもがほしいと結論が出た。そして、早ければ四年目の途中から産休に入るタイミングで考えていたわけだ。