冷徹ドクターは初恋相手を離さない
翌日。
直哉さんは半日休暇を取って、午後から面会に来ていた。
基本的に母子同室であるこの病院では、同じ部屋で赤ちゃんと過ごすことが多い。疲れてが溜まってしまいひとりで休みたい場合は、スタッフに声をかければ新生児室で預かってもらえるので、安心だ。
私はコットに眠るはるとの小さな手に人差し指を入れると、きゅっと握ってくる。
「はると~、ふふ、かわいいね」
この名前をやっと君に届けられた。それがとてつもなく嬉しい。
赤ちゃんは眠っていることが多いけれど、余裕があると話しかけてしまう。
「かわいいなぁ。はると~、お父さんだぞ」
直哉さんが、はるとの頭を撫でる。
もう私たちはこの子の親。今までもその自覚はあったけれど、こうして我が子に触れると、より一層親になったことを感じる。
(私のお母さんも、こんな気持ちだったのかな)
お母さん、心配しなくてもいいからね。私、とても幸せだよ。
私と直哉さんとの大切な子ども。これから三人で暮らしていく生活が楽しみで仕方ない。
「詩織、お疲れさま。今までよく頑張ってきた。そして、ありがとう」
直哉さんははるとを撫でた後、私のことをしっかりと見てそう言う。
その声が、とても心地好くて涙が溢れてきてしまった。
「ふふっ、ありがとうは私もですよ。たくさん支えてもらいました」
「父親になるんだから当然だ。それよりも、しっかり休んでくれよ? あんなに頑張ってくれたんだから」
直哉さんは私の肩にそっと手を添えると、そのまま抱き寄せられる。
何度も抱かれてきたはずの頼もしい腕に抱かれると、今はつわりや体調不良で食事も摂れず家事もできず、仕事から帰ってきて何もできずただ泣いていた私を見て、優しく抱擁してくれたあの日を思い出してしまう。
直哉さんは半日休暇を取って、午後から面会に来ていた。
基本的に母子同室であるこの病院では、同じ部屋で赤ちゃんと過ごすことが多い。疲れてが溜まってしまいひとりで休みたい場合は、スタッフに声をかければ新生児室で預かってもらえるので、安心だ。
私はコットに眠るはるとの小さな手に人差し指を入れると、きゅっと握ってくる。
「はると~、ふふ、かわいいね」
この名前をやっと君に届けられた。それがとてつもなく嬉しい。
赤ちゃんは眠っていることが多いけれど、余裕があると話しかけてしまう。
「かわいいなぁ。はると~、お父さんだぞ」
直哉さんが、はるとの頭を撫でる。
もう私たちはこの子の親。今までもその自覚はあったけれど、こうして我が子に触れると、より一層親になったことを感じる。
(私のお母さんも、こんな気持ちだったのかな)
お母さん、心配しなくてもいいからね。私、とても幸せだよ。
私と直哉さんとの大切な子ども。これから三人で暮らしていく生活が楽しみで仕方ない。
「詩織、お疲れさま。今までよく頑張ってきた。そして、ありがとう」
直哉さんははるとを撫でた後、私のことをしっかりと見てそう言う。
その声が、とても心地好くて涙が溢れてきてしまった。
「ふふっ、ありがとうは私もですよ。たくさん支えてもらいました」
「父親になるんだから当然だ。それよりも、しっかり休んでくれよ? あんなに頑張ってくれたんだから」
直哉さんは私の肩にそっと手を添えると、そのまま抱き寄せられる。
何度も抱かれてきたはずの頼もしい腕に抱かれると、今はつわりや体調不良で食事も摂れず家事もできず、仕事から帰ってきて何もできずただ泣いていた私を見て、優しく抱擁してくれたあの日を思い出してしまう。